今回は、『一流の頭脳』を紹介します。
- 脳をアップグレードしたい(頭を良くしたい)
- 日々の生活にストレスを感じている、毎日がどんよりする人
上記が当てはまる方には特に読んで欲しい本です。
なんと脳細胞は復活する?
僕が子供のころは脳細胞は一回死んでしまうと、二度と復活しないと教えられてきました。
例えば、頭を軽く殴られるだけで「1万もの脳細胞が死んでしまう」という内容ですが、子供ながらに「怖いなぁ!」と思ったものでした。
だけど、さまざまな研究により、現在は、脳細胞は可塑性があることが分かっています。
【可塑性とは】
脳を構成する神経とそのネットワークは固定したものではなく,脳には自分とその周辺の状況に応じて変化する能力があること。

簡単に言うと、成長したり状況に変化できるってことですね。
なんと脳の1/3は生まれ変わっていることが分かっています。
脳は身体の一部なのでトレーニングによって鍛えることができることが証明されています。頭の良さは生まれつきと思っていた私はとてもびっくりしたし希望が持てました。
自分も賢くなりたい!
じゃあ、頭を良くした方が良いよね!と考えますが、この本はなんと『脳をアップグレードさせる方法』を教えてくれるのです。さらに、現代病であるストレスや鬱(うつ)を改善する方法にも言及されています。
正直初めは「本当?」と胡散臭さを感じていたのですが、最近の研究によって証明されたものを軸に紹介されているので、信憑性バッチリです。読んでいく内に、どんどん引き込まれて一気に読了しました。
脳をアップグレードさせる方法で運動より効果的なものはない
「適度な運動が脳にとって一番良い」
↑これが全てです。
脳トレでもなく、食事方法でもなく、勉強でもなく、運動なんです。むしろ「脳トレ」は意味が無いとまで断言されています。
「脳トレ」ブームはなんだったのか・・・
この手の脳科学系の本をたくさん読んできましたが、私的には『一流の頭脳』は一番良い本でした。運動と脳の関係性について最新の科学的な論拠をベースに書かれていているので納得感が違います。
「運動が全てを解決する」と主張は非常にシンプルなので実行に移しやすいんです。そしてなんといっても科学的根拠のオンパレードで説得力があるのでやる気につながります。
この本を読み終えた後には、運動をしたくなっている自分がいますよ!
本書の紹介
★スウェーデンにあるノーベル賞決定機関「カロリンスカ研究所」。
『一流の頭脳』Amazon
そこで研究を重ねたリサーチャーが明かす、世界最新知見を集約した「脳の機密情報」
★科学的エビデンスに基づく、自分を変える「ブレイン・シフト」とは?
★科学が実証した方法で、「IQ」「集中力」「記憶力」「創造性」「抗疲労力」など、ありとあらゆる能力を一気に、これでもかと伸ばす!
★異例中の異例! スウェーデンで圧巻の大ベストセラー!!世界を席巻する、最新データ・極秘リサーチ満載の本書がついに邦訳!!
どうですか、もう信憑性のかたまりですよ。
自分を作っているのは体と心(脳)ですよね。その自分をアップデートさせるためにまずは「脳」から変える「ブレインシフト」の重要性が科学的エビデンス(証拠)を元に余すこと無く書かれているんです。
まずは簡単にポイントまとめ
- あらゆるデータは同じ結論に行きつく。運動をすれば頭がよくなる。
- 脳を活性させるためには運動が一番効果的。
- 巷に溢れている脳トレは意味がない。
- 週3回程度軽いジョギング程度の運動をすると集中力があがり、鬱は改善され、記憶力向上やストレス耐が向上する。
- 筋トレにもストレス耐性が上がる効果がある。
- 運動しながら暗記する場合はウォーキング程度の負荷が良い
- 暗記力はランニング、連想記憶は筋肉トレーニングが良い
- 刺激的な環境も記憶力には良い影響あり
- 運動により創造性も向上する。
私が、「おーすごい!」と思った箇所を少し詳しく紹介していきますね。
運動すればするほどストレス耐性が向上する
まず、効果的にストレスを和らげてくれるのがGABA(ギャバ)です。GABAって今やチョコレートなどにもなっていて知っている人も多いと思います。
GABAは天然アミノ酸のひとつで主に脳や脊髄で「抑制性の神経伝達物質」として興奮を鎮めたり、リラックスする効果があり「ストレス軽減効果」があります。
今では持続的な運動によって、主に大脳皮質下でGABAの働きが促進されることがわかっていて、ウォーキングでも効果は見込めるけれど、一番良いのはランニングやサイクリング程度の負荷をかけることです。
筋力トレーニングも効果がありますが、有酸素運動のほうがより効果が高い。まずは20分は続けてみて、少しずつ時間を増やして30〜45分続けることができるとベストです。長く続ければ、さらなる結果が期待できるので、週に2~3回は心拍数が上がる運動をするように習慣化しましょう。
GABAだけでなく、定期的に運動を続けていると、ストレスを受けたときに分泌する「コルチゾール」の分泌量は少なくなっていきます。コルチゾールの分泌量も継続すればするほど抑えられて、ストレスに対する抵抗力が高まります。

これは嬉しいですよね、一過性の効果ではなくて続ければ続けるほど効果が上がるので運動へのモチベーションがあがります。
このようにストレス軽減ひとつを例にとっても、複合的に効果がみられることが分かっています。
僕が実践しているオススメな方法
正直なところ、僕にとってランニングは面倒くさいので、ウォーキングとサイクリングにしています。
サイクリングといっても、特別時間をかけるのではなくて、無理のない程度に自転車通勤を取り入れることによって日々のルーチン化に成功しています。最寄り駅ではなくて、30分ぐらいの距離の駅まで自転車通勤する。といった方法はオススメです。
脳は物理的に成長する
海馬と前頭葉は運動することで一番効果がある部位で、定期的に運動を続ければ前頭葉は物理的に成長することが分かっています。
前頭葉が発達すると
・注意力が向上する。
・状況を理解する能力が向上する。推理力がアップする。
・自分を律することができ、我慢強くなる。
運動すれば脳がアップグレードされることがわかりますね。
確かに運動をしている人は情緒が安定している人が多いので納得感があります。
もちろん集中力アップにも効果的
集中力が老化など様々な要因で衰えていくものだけど、集中力は身体を動かすことで改善される。結論、身体を動かせば脳本来のメカニズムを取り戻すことができて集中力が高まることが分かっています。
運動をすることで身体に負荷がかかればかかるほど、脳はやる気の源である「ドーパミン」や「ノルアドレナリン(集中物質)」をたっぷりと放出します。
脳を活性化する物質(BDNF)が増える
BDNFって知っていますか?僕は『一流の頭脳』を読むまで知りませんでした。
●BDNFとは
https://www.meiji.co.jp/chocohealthlife/relation/brain/
BDNFは脳由来神経栄養因子と呼ばれるタンパク質の一種で、神経細胞の発生や成長、維持や再生を促してくれます。脳内で記憶を司る「海馬」に多く含まれていて(※1)、そこで神経細胞の動きを活発化させることが期待されています。そのことから、“脳の栄養”と呼ばれることもあります。
※1 Hofer M, Pagliusi SR, Hohn A, Leibrock J, Barde YA (1990): Regional distribution of brain-derived neurotrophic factor mRNA in the adult mouse brain. EMBO J, 9:2459-2464.など

新しく脳細胞が生まれるし、成長も促す物質であるし、脳の細胞間のつながりを強化し、学習や記憶の力を高めている。
良い事づくしですよ!
BDNFは加齢などで減少していくのですが、運動ほどBDNFの生成を促進するのに有効な方法はないんです。
特に有酸素運動の「インターバルトレーニング」が適していて筋力トレーニングでは、同じ効果が得られないといわれています。
さらに記憶力も向上します!
10年以上の実験により、運動をすると記憶力が向上することは立証されています。
実験では、運動(特に持久力系)を3か月続けると記憶力がかなり上がることが分かっています。
もし何かを記憶して定着させたい時には運動と暗記を同時に行うことが良く、歩きながら暗記することが効果的とのこと。
あまりにきつい運動をすると逆効果になるので注意。
疲れると筋肉が血液を必要とするため、脳の血液量が減り、記憶する力が損なわれてしまう。また脳は動作そのものに集中してしまい、例えば「走る」動作に集中してしまうのが理由です。
まとめ
どうでしょうか?
上で紹介したのは一例です。もっともっと詳しく実際に実験結果を元に書かれています。
誰しも「運動しないといけないなー」と漠然と感じていると思いますが、この本を読むと本当に運動をしたくなります。
運動をしないことに危機感を覚えるぐらいです。
ぜひブレインシフトして、自分を変えてみてください。
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