『FACTFULNESS (ファクトフルネス)』書評・社会人の必須スキル

ファクトフルネス 書評

今回は 『FACTFULNESS (ファクトフルネス)』 を紹介します。

ファクトフルネス

『FACTFULNESS (ファクトフルネス)』は世界的にベストセラーになっていてバルク・オバマ氏ビル・ゲイツ氏が絶賛しています。一言で感想を述べると、心の底から読んでよかったと思える本でした。

著者のハンス・ロスリング博士はTED Talkで有名ですが、本著を書き上げる前に2017年に他界されていたそうです。

※共同執筆者で息子夫婦が最後まで書き上げたとのこと。

本書で紹介されている「10の思い込み」は読んでいて焦りました。なぜなら自分の日々の生活の中で思い当たることが多すぎたからです。

これは、すぐに改善しないと!

著者が過去の失敗をもとに「10の思い込み」に気づいた経緯を書かれているのですが、もう自分が長くないと分かった状態で、どうしても後世に伝えたいと思ったのだろうと感じました。そんな熱い想いがみなぎっています。社会に対する感謝の気持ちを込めたことが伝わりました。

本当に読んでいて熱い想いが伝わった本に久しぶりに出会えました。

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ファクトフルネスをオススメする理由

私は年間100冊は本を読んでいますが、読書にはいくつか種類があると考えています。

  • 現状の課題解決に役に立つ本
  • やる気アップにつながる本
  • 日々の思考や行動を根本から変えるきっかけを与えてくれる本

本書は「日々の思考や行動を根本から変えるきっかけを与えてくれる本」です。この分類の本は読んで損はないです。もちろん、読むことにより考えが変わるかは人それぞれですが、何かしら思考のアップデートにつながること間違いなしです。逆に読まないことの方がデメリットだらけです。

この本で得られること

訓練を積めば、ドラマチックすぎる世界の見方をしなくなり、事実に基づく世界の見方ができるようになるはずだ。たくさん勉強しなくても、世界を正しく見られるようになる。判断力が上がり、何を恐れ、何に希望を持てばいいのかを見極められるようになる。取り越し苦労もしなくてすむ。

FACTFULNESS

世界を正しく見る方法ってすごく気になります。

読み始めて実感!自分の「無知」と「思い込み」のすごさ

冒頭で世界の人口・医療・教育などの13の問題が出題されるのですが、私は3問しか正解できなかったんです。

正解率は23% ショック!

しかしさらに驚いたことに、世界のほとんどの人は2割くらいしか正答できず社会的地位の高い人や学歴の高い人ほど点数が低いことが事実として残っています。

これはチンパンジークイズと呼ばれていて、チンパンジーがランダムで答えを選ぶ正答率33%よりも低くなることから名付けられたものです。

もうこの瞬間に引き込まれますよね。

どのように認識間違いしている?

世界はどんどん悪くなっていると認識している人が多いけれど、実際には世界はよくなっていることが真実です。貧しい人は減り、教育を受ける女性は増え、自然災害死は減少し、寿命は伸びている。

私を含めた多くの人がデータや事実に基づかないで世界を誤認してきたかということです。

現実には世界をドラマチックに悲観的に見ようとする人が圧倒的に多いんです。正しい理解が出来ない10パターンの「本能による思い込み」の克服の方法を解説しています。

1.分断本能「世界は分断されている」との思い込み。

人は人はドラマチックな本能のせいで物事を二項対立で考える傾向があり、その2つのグループのあいだには、決して埋まることの ない溝があるはずだと思い込んでしまいます。

これが分断本能です。

良いか悪いか、正義か悪か、自国か他国か。世界を2つに分けるのは、シンプルだし直感的かもしれ ない。しかも双方が対立していればなおドラマチックだ。 わたしたちはいつも気づかないうちに、 世界を2つに分けている。

FACTFULNESS

例として「先進国」と「途上国」があり、人々は2つの分け方にしがちだけど、実際には「中所得層」が75%を占めています。

確かに、マンガでもドラマでも敵と味方に分かれることが多けど、実際の世界はそんな簡単に分けれないよなー

改善方法

●「平均の比較」に注意
→2つのグループは重なりがあり分断していないことが多い。

●「極端な数字の比較」に注意
人や国のグループには最上位と最下位がありそこに目が行きがちだが、実際にはその中間層の割合がほとんどである

●我々が住んでいる貧富のレベルは非常に高いので、そこから正確に把握するのは難しい

2.ネガティブ本能「世界はどんどん悪くなっている」との思い込み。

世の中にはあふれるほどの悪いニュースが流れていることは事実ですが、その裏では数えきれない ほどの「小さな進歩」が世界中で起きていて、その「小さな進歩」の繰り返しが世界を変えていっている。だけど、一つひとつの変化はゆっくりで細切れだから、なかなかニュースには取り上げられないのが真実です。

悪い情報はドラマティックな事が多いので、ニュースになりやすいんだね

改善方法
●「悪い」と「良くなっている」は両立する

●良い出来事、ゆっくりとした進歩はニュースになりにくい

●悪いニュースが増えても、悪い出来事が増えたとは限らない。

3.直線本能「××はひたすら増え続ける」との思い込み。

人はグラフを見るときにその後のグラフも直線的になると思い込む傾向があります。例えば「人口増加」のグラフです。

ここ数十年で爆発的に増加していて、そのグラフの直線的な伸びがイメージにやきついているけれど、最近は増加スピードは緩やかになっている。

改善方法
●なんでも直線になると思い込まない
 実際には直線になる方がまれである。

4.恐怖本能「それほど危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう」

人は進化の過程で「恐怖」に敏感に感じるように出来ています。確かにこの恐怖本能により人類は今まで生き延びることができたのだけど、今やジャーナリストの雇用を支えていると指摘されています。

恐怖心をあおるようなニュースは確かに気になる!「身体的な危害」「拘束」「毒」を恐れているんだって、それがリスクの過大評価につながっている。

「恐怖本能」を感じる事で正常な判断ができなくなります。

例として、福島原発事故で被爆が原因で無くなっている人はたくさんいると思い込んでいる人は多いと思いますが、実際に被災後に亡くなった1600人のうち、被爆が原因で死亡した人は0人です。メディアは原発が事実のとても悪いものであるように報道していると指摘しています。

だけど、その一方で「恐怖本能」のメリットについて、大事な考え方を示してくれている。

恐怖本能は諸刃の剣だ。恐怖本能があるおかげで、世界中の人々が助け合うことができる。そして それが、人類の進歩につながる。一方、恐怖本能のせいで、「年間4000万機もある、無事に着陸 した飛行機の数々(2016年に死亡事故が起きたのはたったの10機)」に、わたしたちはなかなか気づかない。「年間33万人もいる、下痢で亡くなる 子供たち」が、テレビに映ることもない。それが、恐怖本能の恐ろしさだ。

FACTFULNESS

恐怖本能が無いと世界の監視の目が無くなり改善が遅れることも事実ですよね。

改善方法
●恐怖とリスクを分けて考える
恐怖は正確に見積もることはできないけれど、「リスク」は発生可能性と影響度で見積もることができる。

リスク = 危険 度 × 頻度

5.過大視本能「目の前の数字が重要だと考えてしまう」。

人は、ある1つの数値だけで「大きい」「小さい」を判断してしまうし、重要視しすぎる本能があり、これを「過大視本能」といいます。

メディアは過大視本能につけこむのが得意だ。ジャーナリストたちは、さまざまな事件、事実、数字を、実際よりも重要であるかのように伝えたがる。

FACTFULNESS

あえて大きく見せるためのグラフとか使われることありますよね。気をつけよう。

改善方法
●一つの数字だけでなく、その他の数字と「比較」する

●全体数値の割合を求めることで正確な比較を行うことができる。

6.パターン化本能「ひとつの例が全部に当てはまる」との思い込み

人間はいつも、何も考えずに物事をパターン化し、それをすべてに当てはめてしまうものです。経験が全てに当てはまると考える思い込みが指摘されています。

だけど、このパターン化に関してはコミュニケーション上の情報伝達の方法としては非常に有効ということも書かれています。物事を深く考えるときには、このパターン化本能に気をつけないと真実をねじ曲げてしまうんですね。

パターン化のせいでたくさんの消費者と生産者を見逃しているかもしれない。それとも大手銀行で 金融の仕事をしている?ならば、クライアントの資産を間違った場所に投資しているかもしれない。 まったく違う人たちをひとくくりにしてしまうと、ビジネスチャンスを逃してしまう。

FACTFULNESS

これ、すごくためになりました。

改善方法
●パターン化してしまう分類を疑うこと
「違いを探す」「共通項を探す」「強烈なイメージに注意」

7.宿命本能「すべてはあらかじめ決まっている」と思い込み。

宿命本能とは、人や国や宗教や文化の行方は決まるという思い込みで「そういうさだめなんだ」と 正当化してしまうことを言います。

人は変化に鈍感であり、変化しないと考える傾向があるんですね。

例として、アフリカの国を全部一緒にとらえて、アフリカはヨーロッパに絶対追いつけないという見方や「イスラム世界」は「キリスト教世界」と根本的に違うという見方は典型例です。

宗教であれ、大陸や文化や国家であれ、根強い「価値観」と伝統のせいで未来永劫変わらない( か、変わるはずがない)、という人は多い。言い回しは違っても、考え方は同じ。一見なんらかの 分析があるように見える。でもよく見ると、たいていは本能にだまされている。理屈があるよう で、実はただの思い込みなのだ。

FACTFULNESS

たしかに・・こんな言い方されると、これは真理だ!と思ってしまうよね

対策方法
●小さな変化をとらえる

●知識をアップデートする
世界は、西洋諸国だけでなく、あらゆる場所で速い速度で変化しているので常に自分の知識をアップデートする必要がある。

●文化は不変なものではないと気づくこと

8.単純化本能「世界はひとつの切り口で理解できる」との思い込み

人は、物事をシンプルなモノの見方に惹かれてしまう傾向があります。

パッとひらめいたシンプルな考え方に興奮し、それを真実だと決め込んでしまう。さも、その考え方が全てに当てはまるように考えてしまうのです。

例えば、経済発展や社会問題を解決するためには民主主義が効果が高いと考えている人はたくさんいます。特に西側諸国に住んでいる人は、このように考えているでしょう。でも真実はどうでしょうか・・

実は、ここ10年のうちで急成長したアフリカの国の9/10が民主主義レベルが低い国であり、民主主義が社会問題の全てを解決するわけではないことが事実です。

改善方法
●自分の信じる主義や思想の否定的な面を見ること

●知らないものを知ったように振る舞わないこと

●複雑さ受け入れること

これはガーンと衝撃が走りました。シンプルにすることは効率化でとても有効だけど、そもそも間違ってしまうと意味がないよね。

9.犯人探し本能「誰かを責めれば解決する」との思い込み

人は誰かを責めたいという本能があり、事実にもとづいて本当のことがわからなくなってしまいます。誰かを責めることに気持ちが向くと、責めることに注力してしまい思考が停止してしまいます。

例えば、バス運転手が事故を起こしてしまった場合、その運転手を責めるだけでは根本的な問題は解決しません。なぜ事故を起こしたのか居眠り運転をしたのであれば、なぜウトウトしてしまう状況になったのかという「物事の根本」を解決しないと同じ事故が起こってしまうでしょう。

改善方法
●犯人ではなく、原因を探す

●物事がうまくいったのは個人のおかげというよりも、社会の仕組みを支えている人のおかげであることを認識すること

10.焦り本能「いますぐ手を打たないと大変なことになる」と思い込み。

ひと息つこう。「今しかない」という思い込みに注意が必要です。口車に乗ってはいけません。いまじゃないとダメなんてことはないし、チャンスは一度きりではありません。

「今すぐ決めなければならない」と感じたら、一息ついて自分の焦りに気づきましょう。

改善方法
●深呼吸して考え直す

●データにこだわる
緊急で重要なら、なおさらデータにこだわるべき

●不確かさを認めない予測は疑う

●過激な対策を取るときには副作用に気をつける。

ファクトフルネスの本当の価値は自分の成長に活かすこと

「ファクトフルネス」の考えを使い、世界の本当の姿を見ることは人生の役に立ちます。ドラマチックに世界を見るよりも穏やかになりストレスが少なく、世の中もそれほど悪くないと思えてきます。

さらに効果があって、自分の成長にも活かすことができるのです。ファクトフルネスが「世界の姿」だけではなく「自分の姿」とも向き合う機会を持つことができるのです。

  • 知識不足で傲慢な自分
  • 焦って謝った判断をする自分
  • 他人や物事をステレオタイプにして判断する自分
  • 誰かをすぐに責めたくなる自分

たしかに本能は強いです。それはDNAに刻まれた本能だからです。本能に負けそうになるときに、ファクトフルネスの考えは自分を正しく導くことができるのです。

仕事でももちろん活かすことができる

仕事をしていると、いろんな場面で判断を迫られることになります。その判断は「何かしらの根拠」を元にしているのですが、根拠自体が間違っていると判断を間違うことになるのです。

  • そもそも、そのデータは正しいものですか?
  • その過半数とは、51%~99%の幅があるけれど実際には何%ですか?
  • いろんな状況を把握しないうちに、上司に怒られて焦って判断をしていませんか?

間違った判断をしないためにも、物事を正しく理解することは必須のスキルといえます。そんな大切な気づきをこの「ファクトフルネス」は教えてくれるのです。

まとめ

この本は間違いなく「日々の思考や行動を根本から変えるきっかけを与えてくれる本」でした。すぐに使えなくなる情報などではなく、現代の複雑化した世の中を可能なかぎり正しく理解して生きるための必須の本と言えます。

ぜひ、ファクトフルネスを自分のものにして人生をうまく生き抜きましょう。

ファクトフルネス

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